耳鳴りの原因を調べる検査の内容

耳鳴りの検査はどんな方法で行われているのか?

 

耳の奥で不快なキーンという高音、ボーという低音、ジーというセミの鳴き声の自覚症状がある場合、それは耳鳴りが起きている状態です。

 

そこで耳鳴りの原因を探るために病院で検査を行う事になります。耳鳴りで受診すべき専門の科は「耳鼻科」となります。

 

ですが、耳鳴りの音によっては大元の原因が病気によるものや、精神的な原因によるものと違ってきます。

 

耳鼻科で診察を受けて異常が見られない事もあり、その場合は脳外科や精神科を受診し、より深く原因を追究していく事になるのです。

 

そこで今回は病院で行われる耳鳴りの検査内容についてご紹介いたします。事前に何を行うかを知る事で検査に対する抵抗を無くして頂けたらと思います。

 

 

耳管機能検査

耳管機能を調べる耳鳴りの検査

 

耳管機能検査は名前通り、耳管の機能が正しく働いているか?について調べていきます。

 

耳管は耳の中から鼻に通じている管の事ですが、耳管を開くことによって耳の中の空気圧を調整する働きを担っています。

 

特に中耳炎が原因で耳鳴りが起こっている場合、耳管の中に炎症が起きている事が確認できます。

 

検査の際には耳管を通して音が聞こえるかどうか?という点に注目して行って行きます。

 

まず鼻の中に音源となる端子を挿入し、耳にはヘッドホンを装着してから音を出していき、耳の中に音が入って来るかを確認します。

 

この時、耳管が正常に機能しているのであれば唾を飲みこむ時に耳管が開き、そこから音が耳の中に入って来るからです。

 

これで耳管機能が正常に働いていれば、耳管に関する原因で起こる耳鳴りの可能性はなくなります。

 

もし炎症が発見され、中耳炎が発生していれば治療によって完治させると耳鳴りも治まります。

 

ティンパノメトリー

ティンパノメトリーは鼓膜を調べる検査

 

ティンパノメトリーと呼ばれる検査は鼓膜もしくは中耳に何らかの異常が起きた事が疑われる際に行われる検査です。

 

鼓膜や中耳の異状によって耳鳴りが発生するケースもあり、原因の1つとして考えられる症状なのです。

 

そこで鼓膜を中心に動きを調べる検査がティンパノメトリーですが、主に鼓膜の振動を気圧差を作りだしてチェックする方法となります。

 

まず耳に検査用の耳栓を装着し、耳栓の中から空気が飛び出して鼓膜に届いて反射して耳の外に出ようとします。

 

この時に空気の反射の圧力測定を行い、グラフに表示して鼓膜の圧力を調べていきます。

 

特に耳鳴りを誘発していると考えられる、耳管狭窄症や中耳炎が起こっていると考えられた場合に行われる検査方法となります。

 

ピッチマッチ検査

ピッチマッチ検査で耳鳴りの音の領域を調べる

 

ピッチマッチ検査は発生している耳鳴りの音を確認し、高音なのか低音なのか?を調べるために行います。

 

耳鳴りは音の領域によって発生している原因が違ってきます。高音と低音では根本的に発生原因があるので、音の領域を知る事で原因を絞り込む事ができるようになります。

 

ピッチマッチ検査を行う際には2種類の方法があり、使用できる検査機器によってどちらかを行います。

 

1つ目は「固定周波数ピッチマッチ検査」です。

 

これは最初にある程度目星を付けている周波数を11種類用意し、実際にテストを繰り返していきます。

 

そこで、どの周波数に一番近い状態なのか?を探っていき、もっとも当てはまる周波数を確定させます。

 

2つ目は「連続周波数ピッチマッチ検査」です。

 

固定の時に行う検査機器とは違う機器を使用し、周波数を連続して変化させていく事で耳鳴りと合致する周波数を特定します。

 

連続周波数で行う検査の際には自記オージオメーターと呼ばれる機器を使用して行います。

 

ラウドネス・バランス検査

ラウドネス・バランス検査で耳鳴りの大きさを調べる

 

ラウドネス・バランス検査はピッチマッチ検査と組み合わせて行う事で、より精度の高い耳鳴り検査を行う事ができます。

 

一般的にピッチマッチ検査の後に行うのですが、周波数を特定してからラウドネス・バランス検査で今度は音の大きさを調べるのです。

 

周波数と音の大きさをそれぞれ知る事によって、耳鳴りの程度を正確に把握する事ができるようになります。

 

特に交通事故による影響で耳鳴りが起こっている場合、ラウドネス・バランス検査を行う事で後遺症としての耳鳴りが認定される事があります。

 

耳鳴りの音域と音量を知る為にピッチマッチ検査とラウドネス・バランス検査が必要となります。

 

SISI検査

SISI検査

 

SISI検査は難聴に関係する耳鳴りが起こっている場合に行われる検査方法となります。

 

難聴によって聴覚の補充現象(難聴だが一定の音量を越えた音に関して健常な耳よりも聞こえてしまう現象)が起こるケースがあります。

 

SISI検査では補充現象を利用し一定の音を聞かせていくのですが、5秒に1回の割合でほんの少しだけ音量を上げます。

 

その時に一瞬だけ音が大きく聞こえるかどうか?の回数を確認する検査となります。検査の結果はSISIスコアで示されます。

 

健常な耳であればSISIスコアが15%以下となりますが、60%を越えている状態ですと補充現象陽性耳と推定されます。

 

さらにメニエール病の場合は90%以上のスコアを示すケースが多い傾向にあります。

 

側頭骨CT検査

側頭骨CT検査で耳まわりの骨を調べる

 

側頭骨CT検査は名前通り、側頭骨と呼ばれる頭の横の位置にある骨をCTスキャンで検査する方法です。

 

耳鳴りの原因となっている可能性のある耳まわりの個所をCTスキャンする事で、骨の異常を発見する場合があります。

 

基本的に耳の構造は周囲にある骨によって作られており、骨の変化を観察する事によって耳鳴りの原因となる病態を特定していきます。

 

撮影範囲は狭いのですが、スキャンでは1ミリごとの画像を作成する事ができるので側頭骨を約1ミリ刻みで確認しつつ、わずかな病態も発見しやすくなっています。

 

また、中耳炎や伝音難聴の診断を行う際にも側頭骨CT検査は非常に有用な検査であり、中耳の手術する際には欠かせない方法となります。

 

頭部MRI

頭部のMRIで病変を調べる検査

 

耳鳴りを調べる際にCTスキャンとは違った方法で頭部を撮影するのがMRIです。

 

CTスキャンと最も違う部分として、CTは横断面しか見れないのに対しMRIは任意で見たい部分の断面図として撮影する事が可能となります。

 

MRIはCTで検出されにくい病変でも早期で見つける事ができる為、耳鳴りの原因となっている脳腫瘍・脳梗塞といった脳に関する病気も発見できます。

 

頭部MRA

頭部のMRAで血管を調べる検査

 

MRAはMRIと名前が似ていますが、検査自体は全く違います。

 

MRAは頭部のみで行う検査として脳血管に対して撮影を行う方法であり、組織の異状を撮影するMRIとは別物なのです。

 

また脳血管だけではなく全身の血管も見る事が可能です。

 

MRAで発見できる耳鳴りの原因となる疾患は脳動脈瘤・閉塞性動脈疾患などの血管の障害によって起こる病気です。

 

特に脳の病気が原因で耳鳴りが起きている場合、命に係わる危険信号のサインでもあるので早期の治療を行うようにすれば助かる確率も高まります。